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治る認知症・・・?


メディアでも取り上げられる事の多い、「治る認知症」?の落とし穴?についてかいてみました。

最近、色んな機会を頂いて「認知症」についてのお話をさせて頂きます。今日はその中でいつも話をしている事の一つです。9月17日に熊本で行われる日本早期認知症学会で演題発表する予定でもあるこの内容・・・。

テレビやメディアでもよく取り上げられる『治る認知症』と呼ばれる疾患、症状。

例えば、慢性硬膜下血腫・脳腫瘍・突発性正常圧水頭症、甲状腺機能低下症、代謝性疾患:ビタミン欠乏症、感染・炎症性疾患:脳炎、髄膜炎 等々…。その中でも慢性硬膜下血腫と特発性正常圧水頭症はよくテレビや雑誌に登場します。

「慢性硬膜下血腫と特発性正常圧水頭症」・・確かにこの二つの疾患は似た症状を併発します。その中の一つが「認知症状」なのです。しかも、この二つの疾患は外科的手術で症状が改善する事が多い。特に慢性硬膜下血腫は頭部に溜まった血腫を取り除く事でほぼ、全快するので「治る認知症状」なのです。

 ・・・・ん?・・・治る認知症?・・・治る認知症状?

そうなんです!極端に言うと治るのは慢性硬膜下血腫と特発性正常圧水頭症であって「認知症症状が改善する」のです。認知症は現在では「症状の総称」と言われることが多いのですが認知症が治るわけではなく症状が改善するのです。しかも、その、疾患によって併発する認知症状の下にベースに認知症があると(アルツハイマー病やレビー小体病等)があるとそこまでは改善が出来るわけではないのです。

これは、私がケアマネとして利用者様家族との間でも経験した誤解でもあります。家族には特発性正常圧水頭症によって併発している認知症状は改善してもベースの認知症までは改善しないかも?という説明をいつもします。

なので、せめて「改善が期待できる認知症状」としてメディアにも紹介してほしいものです。また、私自身も関わっている認知症状を発症している方が単に一つの認知症から症状があるわけではなく色んな疾患からの認知症状もあるのでは?と多角的に見るようにしたいものです…。


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